匙を投げたいけど

匙を投げたいけど

面倒くさがりで面倒なオタクが、脳トレがてら考えたことを書いています。

外出してもしなくてもストレス

私は圧倒的インドア派である。かのファーザーの「家より外なんてもう必要ないぜ?」(神聖モテモテ王国6巻「マンガ家でもてようとする」より抜粋)というセリフが名言だと信じる程度にはインドア派である。そのため、出産後に多くの女性がつらいと感じるらしい「外出できないストレス」には縁がないだろう、と甘く見ていた。



出産前、インドア派の私は、不要不急の外出をしなかった。外出すると疲れるので、たとえば土・日と休日が続くときには土曜のみ外出し、日曜は予定を入れることをできるだけ避けていた。ただ、なにか欲しいものがあると大きめの街へ行ってその商品を実際に見るとか買うとか、そんなことができた。仕事帰りにコンビニやドラッグストアや100均にふらりと立ち寄ることもできた。けれど、それも頻度は高くなかったので、それができなくなってもたいした打撃にならないと思っていた。



出産直後。「買い物は目的のものだけしか買えない」「ウィンドウショッピングなどもっての外」といった、あそび部分がまったくない状態になるとかなりこたえた。自分の新しい一面を発見した気分にもなった。陳腐な表現だが、外出「しない」と「できない」には深い溝があるのだと知った。



出産後二年以上経つと、物理的には外出できるようになった。けれど、難易度も段違いに上がった。



平日は保育園の送迎があるので、自分の都合で買い物などほぼ無理である。そうでなくとも時間がいっぱいいっぱいなので、さっさと帰宅して寝かしつけまで完了させなければならない。思い通りにならない生物が相手なので基本的にぐずりまくるし、なだめるのも大変だし、時間のロスがどれくらいになるのか読めない。まず予定通りにいかないので、大変ストレスフルである。また自分がHPMPの少ない雑魚キャラなので、寝かしつけと同時に毎日寝てしまう。つまり自分の時間はほぼ皆無である。



休日は、物理的に外に出ることはできるが、野放しにするわけにいかない生物がつねにくっついている。外出させないと体力を削れないので、雨でなければ休日も毎日外出するようになった。これで私も立派なアウトドア派である。



抱っこ紐なら比較的ましなのだが、もういい加減子が大きいので、修業みたいになっている。たぶん抱っこ紐を外したら、めっちゃ重いリストバンドを外して本気を出すキャラみたいに素早く動ける。そして抱っこ紐で長距離を歩くことは不可能である。もともと持っていた肩こりと腰痛とは、さらに親密度が上がった。ベビーカーはない。我が家は狭くて置く場所がないので、持っていないのである。



抱っこせずに歩かせると、これまたとんでもないことになる。外には誘惑がたくさんある。道に落ちているもの、小石などがすべて興味の対象になる。虫と煙草にさわらないのがせめてもの救いだ。というか道端の煙草は滅せよ。



さらに、買い物に行くのも大変だ。子が店に入るのも嫌がっていた時期も大変だったが、それはなんとか脱した。店には入れるようになったが、今度はカゴを持ちたがるし振り回す。その上、面倒になったら投げたり落としたりするので一瞬たりとも気が抜けない。子はそぞろ歩くので、通路ですれ違う人に迷惑にならないよう頭を下げまくり、自分の買い物どころではない。そしてカゴに商品を入れたがる。欲しいものじゃなくて「買い物ごっこ」をしたいので、無意味に入れる。なぜかよくパプリカやブロッコリーを買いたがるのだが、本人は絶対に食べない。野菜は食べない。責任を取って食べたまえ。



というわけで、今はまた別の意味で家より外はいらない気分になっている。家より外がなければ、外出で苦労することもないからだ。