匙を投げたいけど

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面倒くさがりで面倒なオタクが、脳トレがてら考えたことを書いています。

SCOAの問題集について書く

SCOAの問題集を2冊買った


前回、SCOAを受けた体験談を書いた。が、勉強のために購入した2冊の問題集について書くと前回の記事がえらい分量になってしまうので、別記事に分けることにした。



私が買ったのは『これが本当のSCOAだ!2023年度版』(SPIノートの会 編著)と『明快!SCOA総合適性検査 2022年度版」(就職試験情報研究会 著)の2冊である。というかSCOAに特化した問題集はこの2冊しか見つけられなかったのだが、他にあるのだろうか。



1冊目に買ったのは、『これが本当の~』である。これをやってみて問題数が少ないように感じたため、『明快~』も購入した。それぞれに利点欠点があったので、それを書いてみたい。



『これが本当のSCOAだ!』

まず『これが本当のSCOAだ!2023年度版』について。



ネットの評判も良く、1冊目にはうってつけだと思ったので、私はこれを購入した。これをやってみて不安があったら他の問題集を買おうと思っていた。近所の書店で直接購入できたのも幸いだった。時間が惜しかったので、ネット通販で翌日に届くとしてもそれすら待てなかったのである。ちなみに書店にあったSCOA特化問題集はこれ1冊だけだった。マイナーだよSCOAさん……SPIは選ぶのに困るほどあったよ……。



さてこの本の長所は、何といってもSCOAというテストについての情報量が多いことだ。また、全体的にレイアウトがとても見やすい。



解説もとっつきやすさ、わかりやすさに腐心して書かれているように感じた。おそらくその科目が苦手な人でもなんとか喰らいつけるように、という配慮だと思う。逆にその科目が得意な人は、解説を読まなくても学習を進められそうだ。新しい情報や目からウロコの解法はあまり載っていない。



とくに算数・数学が苦手だったり離れて久しい人におすすめしたい。非常に丁寧な解説で、途中式なども略さず、間違いやすいポイントも洩れなく指摘されている。私はむかし理数系の塾講師だったため、ついそういう観点で見てしまったが、補修系の塾で教わるような解説の丁寧さに感心した。



短所は、問題数が少ないことだ。最低限しかない気がする。もちろん最低限はあるので、これだけで対策できないとは断言できないけれど。



またレイアウトをさんざん褒めたくせに長文読解だけ文句をつけるのはフェアじゃない気がするけれど、長文のレイアウトだけはどうにかならなかったのかなと思ってしまった。長文読解問題は、本番も問題集も1個の長文+5問の小問、という形式だ。これをこの問題集では、「見開き2ページで1問」というレイアウトを死守するため、同じ長文が5ページにわたって5回載っているのだ。そして問題集全体で掲載されている長文は1種類。この部分はかなり惜しいと感じた。



もうひとつ細かいことで恐縮だが、SCOA情報のページにPCでの受検画面の例が載っていたが、それが本番と違っていた。問題集は、回答状況が問題と同じページの左側に同画面表示されているような画面だった。ネットサーフィンの際に“お気に入り”が左側につねに表示されているようなイメージ。いっぽう実際の試験では、回答状況を確認するため、ページを完全に切り替えなければならず、少し焦ってしまった。



好き勝手に書いてしまったが、SCOAに割ける時間やお金が少ない、足切り程度にしか参考にされないので最低限の労力で良い、などの理由で1冊だけ買うんだったら、この1冊で良いと思う。私はこの1冊では問題数が少なくて不安だったし、時間もまだ取れそうだったので、別の問題集を購入したが。



『明快!SCOA総合適性検査』

次に『明快!SCOA総合適性検査 2022年度版』について。これはネット通販で購入した。近所の書店にはなかったからだ。



この本の長所はまず、問題数が豊富なことだ。そして的中率が『これが本当の~』よりも高かった(注1)ように感じた。
※注1:『これが本当の~」はSCOAが著作権登録されている場合を考え、問題をそのまま掲載するのは避けていますといった旨の記載があった。『明快~』はそういった記載がなく、実際の問題をそのまま載せている部分があるようだ。それが的中率の差になっているのだと思われる。



問題レベルは本番より少し高めで、むしろ本番で出題されないレベルの問題もあったが、これが理解できていれば本番で焦ることがないと思う。



さらに出題形式など、『これが本当の~』に載っていないSCOA情報があったのは収穫だった。



短所は、この本の口コミでも多く見られるが、解説が簡略化されていてわかりにくい部分があること。ネットで補足説明(同じような問題の解説など)をちょこっと調べたりした。ただこの問題集で解説を事細かに読まないとわからない問題は、本番の試験で時間内に解けないだろうという一種のバロメータになったので、あっさり捨てることにした。



問題が豊富なのは長所なのだが、豊富すぎるというか「出るかもしれない」という用心からか、芸術分野などまったく出題されないものが掲載されていた。でも会社によっては出るかもしれないので、短所とするのは短慮かもしれない。



記述問題があったのもいただけなかった。実際のテストはすべて選択式(マークシートなど)で、記述問題はないはずなのに、この問題集では数学で回答を記述させる問題が存在したのだ。



また個人的に気になったのが、問題ごとに選択記号がバラバラなこと。「1,2,3,4,5」から選ぶ問題と「ア,イ,ウ,エ,オ」から選ぶ問題があり、しかもそれが同じ科目で混在している。私は問題集に書き込むのではなく別の紙に解答しながら勉強していたのだが、選択記号がわかりにくくて困った。



もうひとつ個人的に、この問題集の長文問題の出題者と相性が悪いらしく、かなりさんざんな結果だった。これまで私は現代文で受験や各種テストの点数を稼いできたタイプなのだが、出題者によってごくたまにこういうことがある。解答を見ても解説を読んでも、どうしても納得がいっていない問題もあった。以上、個人的な愚痴でした。



1冊だけ買うならどっち?

どうしても1冊だけ選ぶなら『これが本当のSCOAだ!』に軍配が上がるかな、と思う。しかし学生さんだったり公務員試験を狙うんだったら『明快~』のほうが良いかもしれない。ただ、公務員試験を狙う人は1冊で済ませないだろうけど。



中途採用楽天的な人、学生時代に勉強が得意だった人は、『これが本当のSCOAだ!』をみっちりやれば済むと思う。



ちなみに私は比較的心配性なので、『これが本当の~』を3周、『明快~』を4周やって臨んだ。ただし国語は何度やっても点数はほぼ変わらないと思ったので、1周ずつしかやっていない。



ところでSCOAとは直接関係がないことだが、今回の件で、街の書店が減ったのは残念だし不便だと感じた。SCOAの問題集は書店にあったのが1冊だけだったので、他のものと比較するどころではなかったが、問題集は実際に手に取ってパラパラ眺めて、自分との相性を確認したい。書店に何冊も置いてあれば、比較もできる。私は手持ちの本はかなりの割合で電子書籍に移行してしまったが、問題集は紙の本で欲しい。でも電子書籍に移行してしまった私が、おいそれと書店が欲しいなどと言っても、たくさん貢献できるわけではないし……と、なかなか悩ましい問題を呼んだ問題集だった。