匙を投げたいけど

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面倒くさがりで面倒なオタクが、脳トレがてら考えたことを書いています。

私が過去への執着を捨てた事件

こんまりさんいわく、ものを捨てられない原因は過去への執着と未来への不安とのこと。現在の私がものを溜める原因は、圧倒的に後者である。かつての私は過去への執着も大きかったが、ある出来事をきっかけに雲散霧消した。大学卒業時の引っ越しで、大切にしていたものを誤って捨ててしまったのだ。



昔の私は、思い出に執着して捨てられないものが多かった。たとえば、住んでいた家が取り壊されることになったが、その家の鍵はかなりの間、大事に持っていた。それも誤捨て事件のあとに見つけたときに、あっさり処分した。



誤捨て事件のおかげで過去のものが捨てられるようになった上に、グッズ収集癖もほぼなくなった。本やCDなどは、特典グッズがついていない通常版が欲しいと思うようになった。初回特典版などだと他のものとサイズが違ったりして、収納に不便なのだ。通常版じゃないものを選ぶのは、たとえばCDならボーナストラックで収録曲が多いとき。でもアレンジ違いだとか、カラオケバージョン収録とか、そもそも同じ曲だったら選ばない。本は、CDやDVD同梱版はよほどじゃないと不要(1回だけ見聞きするけど、そのあと見返したためしがないから)で、内容の補完冊子なら欲しいな、と思う。漫画だったら1枚絵のイラストペーパーは不要(よほど絵が好みの人なら迷うけど)で、四コマだとか設定だとか、なんらかの補完情報があるなら欲しい。要するに情報なら欲しい。



引っ越し後、誤って捨ててしまったことに気づいたときは、本当にショックだった。が、あとから考えれば良いほうに転じたと思う。一歩まちがえれば鉄道模型夫になりかねない荒療治だったので、決しておすすめはできないが。



ところで何を誤捨てしたかというと、当時好きだった芸能人からのファンレターの返信だ。その人は芸能界を引退してしまって、もう見ることはできない。けれど間接的にせよ、私の人生を確実に良いほうに変えてくれた。ある意味、恩人である。