匙を投げたいけど

匙を投げたいけど

面倒くさがりで面倒なオタクが、脳トレがてら考えたことを書いています。

減らしたいもの

ものを減らしたい。


もちろんそれは目的ではなく、手段だ。本当に減らしたいのは、無駄に感じる時間である。


必要なものが見つからず、焦る気持ちや時間が何より嫌だ。
自分の持ち物が把握しきれず、だぶり買いをしてしまうのも単純に無駄なので避けたい。
また、気が進まないことに割く時間を減らしたい。
そして何かをしたいと思ったときにすぐ取りかかれる環境にしたい。
ものが多いと、着手までの手数が何かと増える。
できる状態になったときはテンションやモチベーションが想像以上に下がっている。


というわけで、断捨離とやらに少しずつ挑戦している。
もちろん、夫のものには手をつけていない。
我が家はオタク同士なので、とにかく物が多い。
が、相手が大切にしていることもわかっている。
そのため、かの鉄道模型妻のようにはならないつもりだ。
あれは恐ろしい。
被害者になるのも加害者になるのもごめんだ。
恐ろしすぎて、創作であることを祈るばかりだ。


話がそれた。


私の断捨離をいちばん阻むのは「これを捨てたら、あとで必要になって困るのでは?」という恐れだ。
有名人らしきメンタリストの本に「人間はそう思ってしまう傾向がある」といったことが書かれていた。
そこをもっと知りたかったのだが、残念ながら軽くしか触れられていなかった。ので、ネット検索を試みた。


どうやらそれは「損失回避の法則」や「プロスペクト理論」と呼ばれるものらしい。
人は、損をすることを非常に恐れる。
一説には同額の得と損は、損を2.5倍ほどダメージに感じるらしい。
つまり、捨てたものが必要だったかもしれないと思ったとき、2.5倍くらい大げさにがっかりしてしまうのは、脳の構造上、仕方がないことなのだ。――と解釈した。


また「保有効果」という心理もあるそうだ。
自分の所有したものは店で売っている同じものよりも価値があると思ってしまうとのこと。
捨てなかったものがあとから役に立ったとき、格別に嬉しいのは、この保有効果と確証バイアス(自分の考えを裏付ける情報ばかり集めること)の合わせ技なのだろう。


自分の恐れは、脳の癖だとわかった。
ならば、それは仕方ない。
仕方ないので、処分してからがっかりするのは諦めたい。
そうすれば、少しは気軽に断捨離を進められそうだ。


ちなみに、個人的にものを減らすのに役立ったのは「使っていなかったこれのために、家賃のどれくらいを割いていたのか」という考え方だった。


これでおおむね、心の準備はできた。
あとは実際にものを減らしてゆくだけだ。
だけだ。


なにごとも理論と実行には、大きな溝があるけれど。