匙を投げたいけど

匙を投げたいけど

面倒くさがりで面倒なオタクが、脳トレがてら考えたことを書いています。

皿洗いへのほのかな好意を綴る

皿洗いがわりと好きだ。唯一好きな家事と言える。



世の中には皿洗いをきらう人も多いようだが、そういった人を説得する気は毛頭ない。食洗器を導入したい人を思いとどまらせる気もないし、家族に食洗器を導入させたくない人の後押しをする気はもっとない。食器洗い担当ではない人間には、食洗器を導入するかどうかの決定権はないと思っている。これはあくまで個人的な好みの話である。



という前置きをしつつ、皿洗いが好きな理由を考えてみた。理由同士が絡み合っている気もするが、以下の5つを挙げる。



  1. 単純作業だから
  2. マイペースでできるから
  3. 細かくゴールがあるから
  4. 成果がわかりやすいから
  5. 家事だから(やっていても文句を言われないから)


それぞれについて、細かく書いてみる。



「1,単純作業だから」について。



一般家庭での皿洗いは、自分が工夫や技能をこらさないとできないものではない。焦げ付いたり、油まみれだったりする鍋ならいざ知らず、皿洗いは込み入った手順をおぼえる必要もないし、なにも考えず手を動かしていれば、いつかは終わるのだ。



昔アルバイトでウェディングの皿洗いをしていたこともあるが、それもイヤではなかった。いつかは終わるからだ。拭くときに指紋がつかないよう、布巾2枚でつかむようにして拭くのだけは面倒だったけど、きっと今は自動乾燥だろう。それどころか食洗器だろう。



「2,マイペースでできるから」について。



やり方をとやかく指定されたらそこでアウトだが、幸い私が皿洗いを披露(?)する場は、皿洗いをできればやりたくない、代わりにやってくれるなら感謝こそすれ文句は言わない、という人ばかりだ。



また皿洗いが好きではない人の参考にはならないだろうが、私は皿洗い自体は苦にならないため、食事後から次の食事までの間に片づけることは「マイペースを邪魔された」とは思わない。



「3,細かくゴールがあるから」について。



成功の秘訣のひとつに「小さなゴールをたくさん設定すること」というものがあるらしいが、皿洗いはそれに当てはめやすい、と私は考えている。


一枚ずつ洗う場合は、皿を下洗いする、洗剤をつけてスポンジでこする、泡を洗い流す、水切りかごに置く。一枚が完了したらひとつのゴールだ。ある程度まとめて洗う場合は、上記の各プロセスの完了をゴールと考えれば良い。私はそのときどきの食器の種類と数により、そのゴールを使い分けている。水切りかごから取り出して拭いて片づけることだって、小さなゴールを設定し放題だ。



「4,成果がわかりやすいから」について。



流しに食器があるかないか。一目瞭然である。片付ければ終わる。努力が確実に報われるのだ。



「5,家事だから(やっていても文句を言われないから)」について。



私はほとんどの家事が好きではないし苦手だ。でも大人として、しかも母親として、ちょっとまずいかなと感じてはいる。そこで唯一の言い訳、かつ、心の拠りどころとなるのが皿洗いなのだ。



と、好きな理由ばかり挙げてきたが、無条件で好きなわけでもない。



油モノの多かった食事のあとはそりゃ面倒である。また筒を洗うのが苦手で、それをしたくないがために、私自身は水筒を極力使わない。使わざるを得ないときは洗うのが面倒じゃないよう、水(お湯)しか入れない。お茶もコーヒーもNG、砂糖が入った飲み物はもってのほかだ。しかし夫は普通にコーヒーを水筒などに入れ、気軽に洗いに出すのでどんよりしている。我が子がとっくに離乳した台所に、まだ哺乳瓶洗いブラシが置いてあるのはそういうことなのだが。意外と便利です、哺乳瓶洗いブラシ。



あと、ゴム手袋での皿洗いはあまりしたくない。素手でないと、汚れが落ちたかどうかわからないのだ。昔は皮膚が弱かったので、昔のままだったらきっと皿洗いを好きになれなかった。



そもそも昔は、皿洗いが好きではなかった。母が私に家事をおぼえさせるべく、皿洗いをさせていた時期があった。が、そもそも家事手伝いなどしたくない時期だった上、弟が「味が混じるのがイヤ」などとほざいて料理一品ごとに皿を替えていたため、洗う皿が爆発的に増え、私が爆発した。逆に私は皿洗いをできるだけしたくなかったため、一食の料理をすべて一皿で済ませようとして母に叱られた。まあ弟のことは、たまたまタイミングが悪かっただけだとは思う。ちなみに弟は、自分が一人暮らしをするようになって、皿をとっかえひっかえすることをやめたそうである。



そんな私がどんなきっかけで皿を洗うことを好きになったかはおぼえていないが、数年後、私は皿洗い好きにシフトした。



もし食洗器を導入することになったら、自分を納得させるのが大変だと感じている。食洗器を導入して浮いた時間を有効なことに充てることができるのかとか、有効じゃなくても休んだりしてもいいと自分に許可を出すとかは、私にとって非常に難しい。そんな面倒なことを考えたり悩むくらいなら、食器洗いはイヤな作業ではないんだからやっていたい、ということになる。



きらいな家事だったらそんな言い訳も不要で「やりたくないから」と金にモノを言わせてでも便利家電を導入するが(洗濯乾燥機*1のように)、食器洗いはなまじ好きな家事なだけに、食洗器の導入が難しいと思う。



ただ、そもそも我が家には食洗器を置く場所がないため、杞憂とも言える。



*1,洗濯乾燥機を買ったときの記事はこちら→洗濯物を干すのが苦手なので乾燥機を買ったら、保育園生活のマストアイテムになった